大規模修繕工事の進め方について、一般的な流れを「計画編」「工事編」とに分けてご案内します。ご不明な点などがありましたらお気軽にご相談ください。
大規模修繕工事の流れ 計画編
STEP.1 管理組合に修繕委員会を発足
「そろそろ改修が必要かな？」と感じたら、管理組合に諮問機関として修繕委員会を設置し、資金面・工事内容などについて打ち合わせを行います。特に委員会を作らずに理事会によって進められることもありますが、いずれにしてもマンション居住者の代表者が話を進めていくことになります。
STEP.2 コンサルティング業者を導入
管理組合によりけりで導入しないケースもございますが、コンサルティング業者を導入し、第三者の立場からアドバイスを乞います。
STEP.3 修繕計画案の作成・建物診断
修繕計画案の作成準備として、居住者へのアンケート調査などを行います。また、専門家に建物診断を依頼し、修繕の必要な部位や緊急度を判断してもらいます。そしてアンケート結果と診断結果をもとに修繕計画案と概算金額の作成を依頼。見積もりを検討する際の基準とします。
STEP.4 見積もり参加業者を集める
紙媒体や電子媒体への掲載・掲示板での広告・居住者からの推薦などで、見積もり参加業者を募集します。
STEP.5 見積もり依頼
現場説明会を開催し、施工業者側に設計図書や見積もり要領書の配布、見積もり条件の提示をします。見積もり期間中は質疑を受け付け、回答は全社に対して同じ回答書で行います。
STEP.6 ヒアリング業者決定
見積もり内容・各社の特徴などを比較して業者を絞り込み、ヒアリングを行います。できるだけ多くの居住者に参加してもらい、各社の工事への取り組み・安全対策などを把握しましょう。
STEP.7 施工業者内定
見積もり・ヒアリング内容・価格・信頼度などを総合的に検討して、施工依頼業者を決定します。
STEP.8 管理組合総会を開く
居住者みなさん参加による管理組合総会を開き、内定業者の承認をもらいます。
STEP.9 契約・工事発注
工事内容・資金・業者の選定結果などについて総会にて承認を得られたら、内定業者と正式に契約を交わします。契約書には、工事の場所・工期・代金・引き渡し時期・支払い条件などが記載されます。
STEP.10 着工
施工業者から居住者に向けて工事説明会の開催、近隣への挨拶もしてもらい、着工となります。
大規模修繕工事の流れ 工事編
STEP.1 工事説明会実施
施工業者が資料などを用意し、居住者に向けて工事中の注意点などを説明します。
STEP.2 共通仮設工事
各工事において共通で使用することになる現場事務所・資材置き場・電気設備・仮設水道などを設置します。
STEP.3 足場の仮設工事
外壁などの作業の際に必要になる足場を設置します。
STEP.4 下地補修工事
建物のひび割れ・爆裂などによって生じた鉄筋の露出・欠損・浮きなどを補修します。
STEP.5 シーリング工事
外壁の目地・サッシ・建具の周りなどから水や空気が入ってこないように、劣化したシール材を除去し新たなシール材を充填します。
STEP.6 鉄部塗装
建物内の鉄製のものに対して塗装工事をし、耐久性や美観を高めます。
STEP.7 外壁洗浄
経年とともに蓄積した汚れを落として、塗料や防水材が付きやすくなるようにします。洗浄には高圧洗浄と薬品洗浄の2種類があり、用途によって使い分けます。
STEP.8 内外壁塗装
壁に塗料を塗り重ね、躯体保護・美観の復元を図ります。
STEP.9 防水工事
屋上・バルコニー・ルーフバルコニーなどに防水工事を行い、雨水浸入・給排水の漏水防止を図ります。
STEP.10 床工事
開放廊下・階段などに塩化ビニール製のシートを貼ります。
STEP.11 足場解体
足場を必要とする工事が終了したら、足場を解体していきます。
STEP.12 検査
工事内容が正しく行われているか、問題は生じていないかを理事会・委員会・居住者の目で確認します。
STEP.13 工事完了
工事内容をすべて確認し、納得したら工事完了です。工事完成図書は次回の参考資料・今後の維持管理に必要になるため保管が必要です。
